日本感情心理学会 第31回大会
会期
2023年5月26日(金)~28日(日) 
会場
松山市立子規記念博物館・公立共済やすらぎの宿にぎたつ会館
人間環境大学

日本感情心理学会 第31回大会

ご挨拶

 日本感情心理学会第31回大会を,人間環境大学総合心理学部でお引き受けすることになりました。日本感情心理学会は2022年度には第30回大会の大きな節目を迎え,新たな旅立ちの一歩を,松山道後の地から始めさせて頂けることを心より嬉しく思います。

 本大会のテーマは「感情を表現する」としました。COVID-19の影響下で,我々は様々な場面で行動や表現活動を制限することを強いられてきました。ことに感情の表現を抑制されたことが,ストレスの増加や若者の自殺率の増加等にも影響していることが指摘されています。こうした生活の中で,我々の感情の表現は如何に変化したのか,また如何にしてそれを取り戻すのか,皆で考えてみることが今,必要ではないかと考えます。

 感情を表現することについて考えるにあたり,「松山道後大会」でしか出来ない取り組みを思案しました。松山市は,俳人正岡子規出生の地でもあり,「俳句の街」を標榜しております。俳句は,古来より日本人に馴染みのある感情表現手法です。テレビ番組「プレバト」の辛口コメントでもおなじみの夏井いつきさんは松山出身で,俳句作りを楽しみながら学べる「句会ライブ」を展開しておられます。今回,夏井いつきさんの息子さんであり俳人の家藤正人氏より,その「句会ライブ」を実施して頂きます。また,これに先立ちまして,鳴門教育大学の皆川直凡先生より,「俳句と感情」についての特別講演を頂きます。感情を表現するということについて,俳句というメディアを通して,知識と実践の両面からアプローチしてみたいと思います。この他にも,感情を表現することについて思索を深め,インスピレーションを得る刺激的な企画を用意しております。

 それにしても,久しぶりの対面開催となった第30回大会で味わった「生で人々とふれあえる喜び」はかけがえのないものでした。第31回大会も,大きな世情の変化がない限り,対面で実施したいと考えております。そのために時間を作り,乗り物を乗り継いで現地に駆けつける苦労も含めて大会参加の喜び,というのは言いすぎかもしれませんが,お越し頂けましたなら,決して損はさせない趣向を他にも用意しております。今回,本大会の会場は全て,わが国最古といわれる「道後温泉」に至近の場所にあります。メイン会場は,道後温泉から徒歩3分,松山市立子規記念博物館です。この建物にいるだけで,正岡子規と俳句の世界を肌身に感じられます。そして懇親会は,創業390年,夏目漱石や渋沢栄一も逗留し,天皇陛下ご一家も愛用される「ふなや」さんにお願いしております。道後温泉に浸かりつつ俳句を詠じ,ふなやさんのお料理に舌鼓を打って,松山道後をどうぞご堪能下さい。

 とはいえ,人間環境大学総合心理学部は,四国,松山では新参者です。今大会は,本学3名の会員の他,松山近隣大学の先生方と,中四国の本学会会員の先生方と共に実行委員会を組織しております。諸先輩の力をお借りしながら,中四国を上げて,皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

  • 日本感情心理学会第31回大会実行委員長
    人間環境大学総合心理学部 伊藤義徳
  • 人間環境大学総合心理学部 伊藤義徳