日本感情心理学会 第29回大会

大会準備委員長挨拶

 日本感情心理学会第29回大会は、学習院女子大学にて開催されることになりました。会期は2021年10月30日(土)、10月31日(日)の2日間です。ウイルス禍の影響から、これまでの大会と異なってオンライン開催となりますが、皆さまの研究発表や情報交換ができるように鋭意準備を進めております。大会実行委員会の主要メンバーとしては、副委員長を関谷大輝先生、事務局長を木村健太先生、顧問を石川隆行先生にお願いしています(主要メンバーといっても、これがほぼフルメンバーです)。新たな情報が加わりましたらWebページも更新していく予定ですので、随時ご確認ください。

 さて、先の見通せないウイルス禍により、やる気が次第に失せていく向きもあろうと存じます。だからといって、決して悪い影響だけでなく、各種イベントがオンライン化したことで、無駄がなく、どこからも参加できるという利点が生まれています。それと同時に、人と人との関わりにおいて、無駄が省かれるということは、面白みが欠けていることと同義でもあります。

 本大会では、小規模な学会だからこそできる試みとして、あらゆるオンライン発表を口頭で行うこととしました。口頭発表は、ポスター発表よりも持ち時間が限られている、準備に手間がかかるなど、無駄が多いと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今回は、それこそがリアルタイムの醍醐味であると考えての取り組みとなります。また、ポスター発表とシンポジウムのみがプログラムに並ぶ大会ばかりの昨今だからこそ、多くの参加者に向けて口頭で発表できる機会を提供したい、という意図もあります。持ち時間さえ(それなりに)お守りいただければ、どのような発表でも歓迎致します。

 ただ、こうした挨拶はあまり読まれないと思いますから、正直なことを申し上げれば、ともすれば、こうした取り組みは失敗に終わるかもしれません。しかし、失敗が許されない社会ほど窮屈なものはありません。むしろ、成功のような結果だけを求めるのではなく、真実に向かおうとする意志さえあれば、どんな顛末だろうと受け入れられると信じています。

 本学会は、「感情」にまつわる種々の現象を解明しようする意志を持った者たちの集まりです。もちろん、各々の研究射程は異なるわけですが、感情には良いも悪いもない、という一点においては、おそらく共通認識をお持ちのはずです。そこで、本大会では「感情の陰陽」をメインテーマに掲げ、「穢れ」と「美しさ」をテーマとしたシンポジウムを企画しました。口頭発表とシンポジウムのみのシンプルなプログラムですが、任意の場所からアクセスしながら、皆様にとって知的な刺激を得る機会となればと、関係者一同、心より願っております。



日本感情心理学会第29回大会準備委員会を代表して
準備委員長 澤田 匡人