日本感情心理学会 第25回大会

ご挨拶

1992年9月9日、同志社大学今出川キャンパスの同志社礼拝堂で、発会式を行い、翌1993年5月に今は無き京都ホリディインで第1回大会を開催した日本感情心理学会が、このたび第25回大会を迎えることになりました。設立当時にご入会され、現在、日本感情心理学会を支えていてくださっている方々は、当時まだ新進気鋭の研究者もしくは大学院生で、新しい知見や技法などをいかに取り入れていけばよいのか、感情心理学という新しい学問分野に対し、好奇心の塊で、積極的な議論を展開されていたものでした。爾来25年、この間に感情心理学を取り巻く環境も大きく変化し、その研究領域、研究方法も大きく広がり、変化してきたように思います。

この度、日本感情心理学会の第25回大会を同志社大学でお世話をすることになりました。会期は2017年6月24日(土)、25日(日)で、会場は記念すべき感情心理学会設立大会を開催した同志社大学今出川キャンパスです。2014年に日本心理学会を開催した場所ですといった方がわかりやすいかもしれません。

今回の大会は学会設立25周年記念大会ですので、テーマは『感情の研究 ―これまでの25年、これからの25年―』としたいと思っています。感情心理学会が設立された1992年当時、現在の感情心理学の状況を予想し得た研究者はどれだけいたでしょうか。脳のイメージング技法などをはじめとして、その存在を知るにすぎませんでした。そこで、設立時に30歳、40歳代でご入会いただいた方々に“それぞれの領域を振り返っていただき、25年前に現在の状況を予想し得たのか、どのような点が25年前と変わってきたのか”その光の部分と影の部分も交え語っていただくシンポジウム『四半世紀の感情研究 ―その光と影―』を持とうと思います。またもう一つ『感情心理学の基礎と応用を結ぶ』というシンポジウムを企画したいと思います。最近、学位を取り、PDとしてあるいは研究者として活躍を開始されたいわゆる若手の方々にご自身の研究が基礎ならば、今後どのような応用研究へと広がっていくと考えているのかを、ご自身の研究が応用ならば、基礎研究として今後どのような研究が行われることを期待するのかを話していただき、登壇者自身が年代を問わず「この人にコメントをもらってみたい」という人を選んでコメントをいただく、例えば基礎の人が応用のこの人に可能性を聞いてみたい、逆に応用の人が、こうした基礎研究ができないかという可能性を聞いてみたいというようなシンポジウムを考えています。こうした中から新たな感情研究の視点や共同研究が生まれてくれば素晴らしいと思います。

6月下旬の京都はおそらくまだ梅雨も明けておらず、じめじめとした日が続くかもしれませんが、地下鉄の駅から外へ出ることなく会場に入れますので、濡れる心配はありません。また、雨の京都は、多くの歌の歌詞にも取り上げられているように、非常に風情があり、京都のまた新しい魅力を発見できるかもしれません。懇親会は、烏丸通りを挟んだ寒梅館1階の「アマークド・パラディ」で行う予定です。院生もできるだけ多くの方々が参加できるように、安価に設定する予定をしています。

大会前日23日(金)には、若手研究者の企画によるシンポジウムも予定されています。本大会と合わせて、沢山の会員の方々のご来場をお待ち申し上げています。

どうぞ京都へ、おこしやす。
2016年12月吉日

日本感情心理学会第25回大会準備委員会
準備委員長 鈴木 直人