この度,日本感情心理学会第32回大会を大阪体育大学にて開催する運びとなりました。歴史ある本学会の大会が開催できることを大変光栄に存じます。個人的な話で恐縮ですが,私が本学会に入会したのは大学院在学中でして,それ以来本学会を通じて実に多くの経験を積むことができました。研究発表の他,各種委員として運営面に携わる機会にも恵まれ,本学会に育ててもらったとの想いが強くあります。今回委員長として開催するにあたり,これまでに自身が受けたご恩を少しでもお返しできるよう誠心誠意尽力する所存です。
さて,開催校の大阪体育大学ですが,スポーツ心理学に特化したコースをわが国で初めて設置したパイオニアでして,現在は大学院に博士後期課程も設置されています。本大会では,こうした本学の特徴や強みを活かした企画をご用意しました。感情心理学とスポーツ心理学は,実に多くの点で共通性を有するものと思われますが,学会レベルでの両者の交流はこれまで十分でなかったように見受けられます。多くの先生方のご協力のもと,両者の接点を共有できるような機会に携わることができて大変嬉しく思います。今回はまた,スポーツに加えて,広く社会全体への研究成果の活用・還元という観点からのシンポジウムも開催いたします。企業の最前線でご活躍の先生方にご登壇いただき,感情研究やその成果がどのように社会実装されるのかについてお話しいただく予定です。これらの大会行事は,その内容はもとより,研究者としてどのようにキャリアを積むかという点でも非常に興味深く,特に若手の方々にとって大いに刺激になればと期待が膨らみます。本大会では特にテーマは設けませんでしたが,基礎研究と応用・実践研究の架け橋といった内容で構成されている点が特色といえるでしょう。
本大会の運営面に目を向けると,本学会として初めて託児ルームを設置いたします。初の試みのため不手際も多いと思いますが,子育て世代の研究者のキャリアを支え,会員と学会のより一層の飛躍につながるよう環境づくりに努めます。
最後になりましたが,今回の開催にあたり,多くの先生方にご協力を賜りました。委員にご就任いただいた会員の先生方,また大阪体育大学スポーツ心理・カウンセリングコースの先生方と大学院生に,この場をお借りして心より感謝申し上げます。
日本感情心理学会第32回大会
大会実行委員会委員長 手塚洋介
大阪体育大学マスコットキャラクター
BOUHSEAR(ボーシャー)