日本感情心理学会 第27回大会

ご挨拶

 日本感情心理学会第27回大会は東海学園大学心理学部が引き受けさせていただくこととなりました。開催日は2019年6月28日(金)~ 30日(日)となります。よろしくお願い申し上げます。

 東海学園大学心理学部は2018年に開設されました。心理学の名を冠するわが国の学部としては最も若い学部のひとつと言えます。この感情心理学会大会を機にお見知り置きいただければ幸いに存じ上げます。

 さて,情報技術革命の渦中にある現在,人間の生み出す多様かつ膨大なデータが刻々と集積され,解析技術は急速に進歩しています。今後数十年間で,人間に関する諸科学は必然的に大きな変革を迫られるでしょう。端的に言って,われわれ心理学者の伝統的な理論や方法が明日もそのまま使える保証はありません。こんな時こそ慌てず騒がず,一歩引いたロングスコープで自身の研究の立ち位置を眺め直すのが有益ではないでしょうか。

 そこで本大会では,長らくベールに包まれておりました大会テーマを,「感情をメタな視点で考える」といたしました。

 大会には,名古屋の誇る斯界のスター,戸田山 和久先生と小田 亮先生をお招きして特別講演にご登壇いただきます。戸田山先生は哲学,小田先生は行動進化学のそれぞれのお立場から,伝統的な感情心理学研究に対して挑発的な論点が提起されます。

 また,すっかり定着した大会前日 (6月28日) のプレカンファレンスには,2件の企画にスタンバイしていただいております。

 そして若手中心のシンポジウムのタイトルは,「感情の功罪を考える―基礎,社会,臨床から」となりました(企画者:山川 香織・高田 琢弘)。そこでは,感情の内的過程にとどまらず,感情が生み出すアウトカムが評価され議論されます。

 いずれもメタな発想を刺激し,感情心理学の今後を占う魅力的な知の饗宴となりましょう。

 このような硬派かつ直球勝負の企画に加え,何よりも,万難を排してエントリーくださった先生方の力のこもった個別発表により大会メニューが構成されます。本大会内容がご参加の皆様に益すること,一点の疑念もありません。

 その一方,私どもの学部は大学院をもたないため,運営のマンパワーはいくぶん脆弱です。当日は,本学部関連教員ならびに有志学生の総力体制にて粗相なきよう努めて参りますものの,行き届かぬ点,未熟な点が多々あるかと存じます。何とぞご寛恕のほどお願い申し上げます。

 碌なおもてなしもできませんが,にもかかわらず多くの先生方から御来学の栄を賜りたくスタッフ一同衷心よりお願い申し上げ,感情心理学会東海学園大学大会のご挨拶とさせていただきます。

日本感情心理学会第27回大会実行委員会
大会委員長 河野 和明