最新のEmotion Reviewでは "William James and His legacy" といった特集が組まれ、その前には "Psychological Constructivism" なる特集が組まれた。また、2012年には "On Defining Emotion" なる企画も組まれていた。こういった動向をみると、海外においても「感情とは何か」といった議論が再燃しているものと見受けられる。例えば "Psychological Constructivism" の特集を紐解けば、「感情は生物学的な反応・機序だけでも定義できないが、社会的構築論の立場だけでも不完全である」といったようなことを指摘し、感情が何によって説明され、何を説明するものなのかを再考するような議論がみてとれる。
企画者たちは、感情研究を志す若手にこそ、こうした議論が必要なのではないかと考えている。そこで、「感情研究の現在を読む」と題した読書会を企画したい。題材については、感情研究の動向を知るうえでも有力なツールになると考えられることから、ここ1、2年内の Emotion Reviewを用いることとする。
当日の発表は、Psychological Constructivism, Emotion Review, 5(4) を藤原が、William James and His Legacy, Emotion Review, 6(1) を木村が、Facial Expression, Emotion Review, 5(1) を藤村が担当する。特集号の中から1報あるいは特集号全体の概要を発表 (約15分) し、その後議論の時間を設ける (約25分)。
また、広く参加者を募りたいと考えているため、当日は非発表者も奮ってご参加いただきたい。企画者一同、参加者の皆さまと「素敵な時間」が過ごせたらと考えている。
連絡 企画に関するご意見やご質問、発表の自薦・他薦については藤原 (k.fujiwara [at] gsm.kyoto-u.ac.jpもしくはk.fujiwara1985 [at] gmail.com) までご連絡ください。
(2)「嫌悪の基礎と臨床研究会」嫌悪は基本感情の1つに数えられる固有の感情であり、疾病の回避を主な機能とすることが知られている。1990年代以降、海外で生じた嫌悪研究の興隆とは対照的に、本邦においてはようやく萌芽期を迎えたばかりである。嫌悪研究には未だ数多くの基礎的・臨床的な研究課題が残されており、感情研究者だけでなく臨床心理学研究者にとっても魅力ある研究領域だと言えるだろう。そこで本研究会では、これまでに本邦で行われた嫌悪の基礎研究・臨床研究について議論し、今後行われるべき研究の方向性を探っていくこととする。
連絡 本研究会には自由に参加頂けますが、小規模会場にて開催するため、確実な参加を希望される場合は、以下の連絡先まであらかじめご連絡ください。
岩佐 和典
就実大学教育学部教育心理学科
kaiwasa00[at]gmail.com
http://www.kaiwasa.com/disgust.html